春川家の5兄妹










…………………………
歩きながら考えていた…








ハルトさんはこんな人だったっけ?








私の知ってるハルトさんは、皆にモテてても人を気にせずマイペースで
心配なんてあんまりしないような人………………………








「こんばんは
この時間は一般的には非常識です。」








そう言い登場すると
振り返りながら微笑み








「悪い悪い
どうしても今話したいんだ、」








真剣な顔でそう言われてカバンからいつも撮っていた証拠写真を取り出して渡した








「……ッ!!」
少し顔を赤らめて写真を突き返してきて口を開いた








「こんな写真、むやみやたらに見せないの
それに、俺の顔見て言う約束で来たのに…
ねぇ、言って」








そう言い腕を掴んで逃げないようにしていた








「…………ッ!!………」
あまりの強さに顔を強ばらせた…………でも、








「そんな顔しても逃がさない、
ねぇ、言って、」








さっきと同じ言葉を言われて少し顔を背けた
その様子を見て薄く目を閉じて悪戯な笑を浮かべ言った








「言えよ、
優しく言ってるうちに言えよ
俺の顔見て、私は大丈夫だってよ
言えないんだろ?」








そう言い腕を掴む強さを倍増させた
少しドキリとして、
でも怖くて親に置いてかれた時みたいだった








「……………………ゃ!!
やめて、
………………おね、がい……………
痛いよ?
ねぇ、」








そう言い涙を流さないように上を向いた
信じてしまっていたんだ、
ハルトさんはお兄さんの友達だから大丈夫だと、








怖い人じゃないと、








でも、やっぱり信じるだけ無駄だった








痛くて怖い
まるで獲物を狙う狼みたい…………














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