幼なじみ。
「その女の子は特別なことでも何かしたんですか?」
「ううん。特に・・・何もしていないけど、きっと願ってたんだね?生きたい、と・・・」
「そっか・・・じゃ、まだ希望はあるんだね?」
このガーベラの花言葉のように・・・
心愛ちゃんはあたしに希望をくれてたんだね?
「このガーベラっていう花言葉はね?希望、なんだって。だから、きっとこの花があたしに希望をくれたんだよ」
花びんに入れてあるガーベラの花を指しながら言った。
「そうだな。俺も頑張るから、安西さんも辛い時があるかも知れないけど頑張って・・・」
「うん、ありがとうございます」
先生にお礼を言った。
まだ、突然死すると決まったわけじゃないもんね?
奇跡が起こるようにそっと神様に手を合わせて祈った。
「その願いがかなうといいね?」
「うん」
明るい声で返事をしたものの・・・そう簡単には受け止めることができない。
また、窓の外をそっと見る。
ゆらゆら揺れている木々を見るといつもは元気をくれるけど、今日は寂しく感じる。
そう感じたのはなんでだろう?
「また、体温計ってくれるかな?」
「はい」
先生から渡された体温計を受け取り、ケースから出して脇に挟んだ。