幼なじみ。
また、窓の外を見た。
いつの間にか、悲しい時とか苦しくて辛い時とかはこうやって、窓の外を見るのが癖になっていた。
病院の近くの公園で元気そうに遊ぶ子供達の賑やかな声が微かに聞こえてきた。
いいな・・・走り回れて・・・
なんて、またマイナスなことを考える。
「はぁ・・・あたしがしっかりしないと、余計に愛雅や心愛ちゃんや親に心配かけちゃうね」
そうあたししかいない病室で独り言を言い、その声が響き渡る。
しばらくして、愛雅だけが戻ってきた。
先生はたぶん仕事に戻ったんだと思う。
それと同時に、ピピピー、と脇に挟んでいた体温計が計り終えた合図を告げた。
体温を見て見たけど、熱はなかった。
「愛雅・・・ここ座って?」
「あ、あぁ・・・」
ベッドの横に置いてあるパイプ椅子に愛雅を座らせ、向かい合わせになるようにあたしも体の向きを変えた。
「愛雅。先生から聞いたと思うけど・・・あたし・・・突然死のかのうせいがあるんだって・・・・」
「・・・・」
「先生が言ってたけど、あの女の子みたいに生きたい、と強く願っていても届かないよ・・・あたしだって生きていたい。大切な人、愛雅や家族や心愛ちゃんと一緒にいたい」
「・・・・」
「でも、きっと無理だよ・・・」
俯いて怪しげな笑みを浮かばせ、涙まじりな声で愛雅に言った。
「・・・はは・・・どうしたらいいんだろーね?・・・」
俯いてたポロポロと涙を流して、マイナスな言葉をどんどん発して行く。
さっきの独り言は何だったのだろう、と思うくらい・・・
「・・・んなことねーよ」
「え?・・・」
「そんなことねーよ」
「愛雅にはあたしの気持ちなんかわからないよ。突然死って宣告されて、怖くて苦しくて辛くて・・・その気持ちが愛雅にわかるわけないじゃん!」
涙を流して、震えた声ながらも、愛雅に怒りをぶつけた。
「いいよね、愛雅は・・・毎日学校行ってみんなと楽しく過ごせるもん!そんな愛雅が羨ましいよ・・・」