幼なじみ。
あたしの顔からゆっくりとてが離れて行って、少し寂しい気がした。
無事、愛雅と仲直りすることができた。
しばらくして、また心愛ちゃんが戻ってきた。
愛雅がドアの方を見ている隙に心愛ちゃんにピースサインを送り、心愛ちゃんからは笑顔が返ってきた。
「まだ綺麗に咲いてるんだね?ガーベラ!」
「うん!あたしにね、希望を与えてくれるから、枯れてもらっちゃうと困るよ」
「そっか・・・」
心愛ちゃんからもらったこのガーベラの花があったから、何度転んでつまずいても立ち上がれた。
どんなことがっても、転んだ分立ち上がれた。
花が魔法使いみたいに思えてきた。
あたしは魔法をかけられて救われたんだ。
「あたしさ、最近、窓の外の景色を見ることが多くなったの」
見る時によって、芽生えてくる感情が違ったりするんだよね・・・
元気がもらえて、自然と口角が上がって笑みを浮かべたり、寂しく感じてしまったり・・・・
「時々、子供が羨ましくなるの・・・」
「子供?」
「どういう意味?」
愛雅と心愛ちゃんが質問してきた。
そりゃ、そうなるよね?驚くよね?子供が羨ましい、なんて・・・
「微かに聞こえてくるの。病院の近くにある公園から、わいわいとはしゃぐ子供達の声が・・・」
辛かった・・・
予想以上にこのガーベラの花の力はすごかった。
「いいな、て・・・走り回って友達と言いあったりして・・・なんて思った。でも、このガーベラの花を見ると、異常なほど、その考えが頭からなくなるの」
まるで、そうマイナスに考えると、この病気が治らなくてもう、夢は叶わないよって教えてもらうみたいに・・・
あたしの未来を知っているかのように・・・
「そんなにすごいの?この花の力って・・・」
あたしは2度も首を縦にコクン、コクンと振った。
ほんと、この花の力はすごいよ!
「なるほどね?」
「なんか、あり得なくはない話だな?」
「ほんとなんだってばー!」
笑いが起きた。
やっぱ、この2人が来れば、あたしはいつだって元気が出る。
この温かい空間が好き。