幼なじみ。
笑ながら、わいわいといろんな話を聞いたり、話したりしていると、あっという間に帰る時間となっていた。
「じゃ、またな?」
愛雅が手を振って、病室を出た。
「麻帆、明日、ちょっと来れないんだ。ごめんね?」
「大丈夫だよ!毎日ありがとう」
「どういたしまして!じゃーね?」
心愛ちゃんも手を振って、病室を静かに出て行った。
なんか、少し疲れたかも・・・
「はぁぁー・・・・」
大きくため息をついた。
あたしはベットに上に寝転び、リラックスして疲れを取ろうと考えた。
「横になるだけでも疲れが取れる時は取れるもんね?」
そう自分言い聞かせて体を寝かせた。
ー コンコン
「はい!」
先生が入ってきた。
「安西さん・・・しんどいのか?珍しく寝込んでるじゃないか・・・」
「少し・・・疲れてしまって・・・」
「そうか・・・」
心配そうにあたしを見つめる先生。
「親は来ていないのかい?」
「まだ、今日は一度も・・」
親は2人揃って、毎日毎日仕事に覆われて、朝から夜まで働いている。
それも、生活していくためだけではなくて、あたしの入院費まで貯めるため。
「親が来たら診察室に行ってと言ってくれる?」
「はい」
「じゃ、これで・・・」
先生があたしに背を向けて、病室から出て行った。
なぜか、その背中を見て不安になった。
まだ、なにかあるのか・・・、と。
これほど、病気が恐ろしいと思った頃は生きている中で一度もなかった。
毎日病院で過ごし、不安を永遠に抱えたままの生活。
当たり前だけどえど、こんな生活をするのは初めて。
不安と一緒に付きまとうものがまだある。
それは・・・苦しさ、辛さ。そして、あたしに襲いかかった病気の症状、疲れだった。
いつまで、こんな体でいなきゃいけない?
ガーベラの花お見つめた。
『お願い・・・・あたしに希望をください』
心の中でそう何度もお願いした。
だって、この花はあたしに希望を与える花だから。あたしはこの、ガーベラの花言葉を信じる。
あたしには信じることしかできないから。