幼なじみ。






笑ながら、わいわいといろんな話を聞いたり、話したりしていると、あっという間に帰る時間となっていた。




「じゃ、またな?」





愛雅が手を振って、病室を出た。





「麻帆、明日、ちょっと来れないんだ。ごめんね?」





「大丈夫だよ!毎日ありがとう」





「どういたしまして!じゃーね?」






心愛ちゃんも手を振って、病室を静かに出て行った。






なんか、少し疲れたかも・・・





「はぁぁー・・・・」





大きくため息をついた。




あたしはベットに上に寝転び、リラックスして疲れを取ろうと考えた。





「横になるだけでも疲れが取れる時は取れるもんね?」





そう自分言い聞かせて体を寝かせた。





ー コンコン





「はい!」




先生が入ってきた。





「安西さん・・・しんどいのか?珍しく寝込んでるじゃないか・・・」





「少し・・・疲れてしまって・・・」





「そうか・・・」





心配そうにあたしを見つめる先生。




「親は来ていないのかい?」





「まだ、今日は一度も・・」




親は2人揃って、毎日毎日仕事に覆われて、朝から夜まで働いている。




それも、生活していくためだけではなくて、あたしの入院費まで貯めるため。






「親が来たら診察室に行ってと言ってくれる?」




「はい」




「じゃ、これで・・・」




先生があたしに背を向けて、病室から出て行った。




なぜか、その背中を見て不安になった。





まだ、なにかあるのか・・・、と。





これほど、病気が恐ろしいと思った頃は生きている中で一度もなかった。




毎日病院で過ごし、不安を永遠に抱えたままの生活。
当たり前だけどえど、こんな生活をするのは初めて。





不安と一緒に付きまとうものがまだある。





それは・・・苦しさ、辛さ。そして、あたしに襲いかかった病気の症状、疲れだった。





いつまで、こんな体でいなきゃいけない?




ガーベラの花お見つめた。




『お願い・・・・あたしに希望をください』





心の中でそう何度もお願いした。




だって、この花はあたしに希望を与える花だから。あたしはこの、ガーベラの花言葉を信じる。





あたしには信じることしかできないから。















< 110 / 228 >

この作品をシェア

pagetop