幼なじみ。
「じゃ、話は以上だから!」
そう言って、あたしたちに背を向けて病室から出るのを見守った。
「あたし、ずっと体動かしていないから筋肉が衰えてるかもだから・・・行こ?今から屋上へ!」
嬉しさで気持ちが舞い上がる。
「じゃ、行くか」
「うん!」
明るい声で返事をして、ゆっくりとベットから降りて、自分の足で上半身の体重を支えて立った。
愛雅が当たり前のように手を握って、あたしの歩幅に合わせて歩いて病室から出た。
「愛雅。久々だね?手を繋いで横に並んで歩くの・・・」
「だな?」
すっごく笑顔であたしの方を見た。
エレベーターに乗り、愛雅が最上階のボタンを押してくれた。
エレベーターは徐々に上へ行く。
ピンポーンと音を鳴らして、エレベーターが目的の階についた。
エレベーターから降りて、愛雅が屋上に繋がる扉を開けてくれた。
「ありがとう」
軽く頭を下げて、お礼を言った。
屋上は思ったより広く、360度見渡せる。
あたしたちはフェンスに寄りかかって、少し涼しい風を浴びながら、景色を眺めた。
下を見下ろすと、人がすごく小さく見る。
今まで見たことにないような絶景で、言葉が失われた。
「愛雅!綺麗だね?」
「おぅ!来れて良かったな?」
「うん!」
久しぶりに外に出て風を浴びたなぁ・・・
体が回復してきたら、2週間後はまた当たり前になるのかな?外に出るのとか、風を浴びるのが・・・