幼なじみ。






「じゃ、話は以上だから!」





そう言って、あたしたちに背を向けて病室から出るのを見守った。






「あたし、ずっと体動かしていないから筋肉が衰えてるかもだから・・・行こ?今から屋上へ!」






嬉しさで気持ちが舞い上がる。





「じゃ、行くか」




「うん!」




明るい声で返事をして、ゆっくりとベットから降りて、自分の足で上半身の体重を支えて立った。





愛雅が当たり前のように手を握って、あたしの歩幅に合わせて歩いて病室から出た。




「愛雅。久々だね?手を繋いで横に並んで歩くの・・・」





「だな?」





すっごく笑顔であたしの方を見た。





エレベーターに乗り、愛雅が最上階のボタンを押してくれた。





エレベーターは徐々に上へ行く。





ピンポーンと音を鳴らして、エレベーターが目的の階についた。





エレベーターから降りて、愛雅が屋上に繋がる扉を開けてくれた。





「ありがとう」





軽く頭を下げて、お礼を言った。






屋上は思ったより広く、360度見渡せる。





あたしたちはフェンスに寄りかかって、少し涼しい風を浴びながら、景色を眺めた。




下を見下ろすと、人がすごく小さく見る。




今まで見たことにないような絶景で、言葉が失われた。




「愛雅!綺麗だね?」





「おぅ!来れて良かったな?」




「うん!」





久しぶりに外に出て風を浴びたなぁ・・・




体が回復してきたら、2週間後はまた当たり前になるのかな?外に出るのとか、風を浴びるのが・・・







< 117 / 228 >

この作品をシェア

pagetop