幼なじみ。
エレベーターに再び乗り、10階のボタンを押して、扉がしまった。
「愛雅、また、飲み物買っていい?自動販売機」
「おう!」
ずっと、あたしを支えて守ってくれているかのようにあたしの手を大きくて温かくて少し強めに握ってくれている愛雅。
ずっと繋いでいたい。
あたしのそばにずっといてほしい。
そう、欲張りになってしまう。
また、ピンポン、となって、エレベーターの扉が開き、10階のフロアにある自動販売機に行って、ペットボトルに入った紅茶を買って病室に戻った。
ベッドにゆっくりと楽な姿勢で座った。
「麻帆、いつも見舞い来てるやついるじゃん?」
「心愛ちゃん?」
「そ。その人が楽しみだ、って言ってた。学校に戻ってくるのが」
「そうなの?」
「あぁ、病院行く途中に、言われてな?独り言見てーだったんだけど・・・」
苦笑いを浮かべる愛雅。
愛雅の口から心愛ちゃんの話を聞くと、チクリと胸が痛む。
こんなことを感じるには初めてのことだったから、あたしには何なのかわからなかった。
変な感情に覆われて・・・・
途端に、不安になって衝撃的な言葉を無意識に愛雅にかけていた。
「愛雅・・・あたしから離れないよね?ずっと一緒にいてくれるよね?」
っと・・・・
突然、あたしの口から滅多に言わない言葉が出てきたから、驚いたにか、大きく目を見開いてあたしを見た。
「きゅ、急に・・・どうした?」
「い、いや・・・べべべ、別に・・・」
あはは、と怪しげな笑い声を出すけど、きにしていない愛雅があたしに答えを返してきた。
「当たりめーだろ?俺はずっと麻帆のそばにいる。俺が守ってやるから、安心しろよ!」
頭を優しくポンポンと撫でてくれた。
その温かい手が触れたところはすごく熱があって、今だに触られた感触が残る。
愛雅・・・・その言葉は信じていいんだよね?
一生信じるよ?
守るっていう言葉。