幼なじみ。
愛雅が車椅子を押してくれる。
校門から出たところで、少し緊張してきたあたしは深呼吸をした。
すーーーーーー、はーーーーー
心を落ちつかせて勇気を振り絞り、愛雅に声をかけた。
「あ、愛雅・・・」
「ん?」
優しい声で言ってくれて少し安心した。
「ああ明日ささぁ・・・あ、あのの・・・ななな夏祭りいいききませんか?」
緊張のあまり、敬語になっていた上、カミカミだった。
あまりこういうのに慣れていないから・・・
「・・・ぷっ」
しばらくして、愛雅が吹き出した。
「な、何よ・・・」
怒りが混じった声で言った。
そんな後ろでお腹が痛くなるほど、大爆笑をしている愛雅。
「そ、そんな笑わないでよ・・・人が勇気出して頑張って誘ったんだから!」
「わりぃ。でも、さすがにカミすぎだし、顔真っ赤!」
「ほ、ほっといて!」
あたしは恥ずかしすぎて、赤くなっていると言われた顔を隠した。
「で・・・あ、愛雅・・・返事、は?」
「あぁ・・・行くよ」
「ほ、ほんとに??」
「あぁ。嘘ついてどーすんだよ」
「そっか、ありがとう」
愛雅の方をばっと振り向いて笑顔で言った。
「あっぶねー・・・麻帆、急に動くなよ」
「あ、ごめんごめん」
あたしが急に激しく動いたせいで、車椅子がぐらついたみたいで、愛雅が怒っちゃった?