幼なじみ。
「直哉!ちょっと、話してもいい?」
「あぁ・・・」
心愛ちゃんはあたしに近づき、愛雅の顔を見た。
「ちょっとこの子借りるね?」
愛雅の返事も待たずに、あたしを連れ去る。
愛雅たちと少し離れたところに来て、心愛ちゃんがしゃがみ込んだ。
「麻帆!」
心愛ちゃんの目がパッと開いた。
「な、なに?」
「実は・・・直哉から、お揃いのアクセサリーもらったんだ!」
自慢げに言う心愛ちゃんは、どこか嬉しそうな表情を浮かべていた。
「麻帆に話したじゃん?バイトで忙しくなってつて、デートもあんまりしなくなったって・・・・」
「うん」
「それは、これ買うために稼いだんだって。あたしのためにだよ?」
心愛ちゃんの首にぶら下がるハート形のキラキラとしたネクレスが輝く。
一生懸命働いて買ってくれたんだもんね!
あたし自分のことのように嬉しかった。
「心愛ちゃん!よかったね?これからもお幸せに〜!」
「麻帆もね?」
「わかってるよ!」
心愛ちゃんはそれだけをあたし伝えたかったみたいで、愛雅たちのところへ戻った。
さっきまで、少し開いていた愛雅と直哉さん距離がぐっと縮まって笑いながら話をしていたみたいだ。
なんか、すごく楽しそうに話している愛雅を見て、自然と笑みがこぼれる。
「じゃ、行くわ!」
「おう!」
直哉さんに軽く手を振って車椅子を押してくれた。