幼なじみ。
愛雅があたしからそっと体を話して立ち上がった。
「よし!上から見に行く?燈火会!すっげぇ綺麗だから!」
「うん!行く!」
「じゃ、座って?」
そう車椅子を指して言われるたび、歩けるのに・・・元気なのに車椅子で移動するのが少し悲しい。
でも・・・仕方ないことだよね?
そう自分に言い聞かせて車椅子に座って、愛雅が当たり前のように押してくれた。
あたしたちが灯した燈火からどんどん離れて行き、見下ろせるところまで来た。
燈火会は公園の広いところで行われていて、燈火を見下ろせるように階段が作られたらしい。
階段の横にはスロープがあり、あたしたちはそのスロープを使って上がった。
「麻帆、見てみ?」
「・・・ぇっ・・・す、すごい・・・」
言葉にならないくらいきれいな景色だった。
燈火でハートの中に『絆』という文字が描かれていた。
ろうそくの火がメラメラと燃えていて、すごく綺麗だった。
「また来年も来ようね?」
「あぁ・・・絶対な?」
少しあたしには悲しい約束。
だって、生きてるかわからないから・・・
来年にはあたし、いないかもしれない。
もしかしたら、何処かで奇跡が起きて、病気が治っているのかもしれない。
たまに、見えない未来に不安を抱えることがあるけど、でも、あたしのそばには愛雅とその元気な笑顔があるから乗り越えられた。
だから、あたしはほんと、幸せなんだ。