幼なじみ。
愛雅は、あたしにもにすごく幸せをくれる。
この病気になるまで全く気づかなかった。
愛雅があたしにとってこんなにも大きな存在で、温かい心や笑顔が溢れていることに・・・
当たり前の日常がこんなにも大切だったってことも・・・
「愛雅・・・」
あたしはふいに名前を呼んだ。
すると、あたしの気持ちを和らげるかのように温かくて大きな手であたしの手を握ってくれた。
「愛雅・・・ありがとう」
あたしは愛雅の手を強く強く今までにない力で握りしめた。
この時、ふと考えた。
愛雅。
こんな体がボロボロで車椅子に乗っている奴が愛雅の隣にいていいの?
恥ずかしくない?
周りに目とか気にならないの?
そう頭に中に疑問が思い浮かんだ。
「愛雅・・・あたしが隣にいて、幸せなことがあった?」
無意識にあたしの口からその言葉が出てきた。
「あぁ、麻帆には幸せくれてる。心温かい人だし、麻帆の笑顔を見るとすげぇ安心する」
愛雅・・・
恥ずかしい、だなんて思わないでね?
あたしのそばから離れて行っちゃうとすごく寂しくなるから・・・
毎日、愛雅の笑顔に会えなくなるから・・・
「愛雅に幸せをあげられなくてごめんね?あたし、こんなボロボロの体だから何もしてあげられなくてごめんね?」
愛雅にはいつも助けられてばかりだから次はあたしが・・・
そんなことを望み続けていたけど・・・
この状態だと厳しい。
「麻帆?俺は麻帆に笑顔を見ることが一番の幸せ。何かしようとしなくて大丈夫だから!な?」
優しい笑顔で微笑んでそう、あたしに言った。
優しくて温かい愛雅の言葉にあたしはそっと縦に首を振った。