幼なじみ。
「か、栞菜ちゃん?」
遠くから見てるからあってるかどうかはわからないけど・・・恐らくそう。
栞菜ちゃんとは、あたしが部活に入っていた頃に短距離で勝負した子。
「麻帆先輩、だ、大丈夫ですか?」
すっごく心配そうにあたしを見る栞菜ちゃん。
「全然平気だよ!」
久しぶりに栞菜ちゃんを見たけど、ちょっと見ない間に成長したな、と思った。
「麻帆先輩!あたし、麻帆先輩の病気が治るようにずっとずっと影ながらも応援します!」
明るく元気な声でそう言ってくれて、あたしは少し元気をもらった気がした。
「いつか、また麻帆先輩と走れるのを待っています!」
「ありがとう!」
走ることはもう、できないとわかっていても、栞菜ちゃんや色んな人の言葉で必ずどこかで奇跡は起きて・・・・
必ず、走れるようになると思ってしまう・・・・
陸上にしても、愛雅にしても、両方あたしにとってはかけがえにないものになっていたんんだ。
いつの間にか、こあたしの心の中の中心に愛雅がいた。