幼なじみ。
残り少ない時間を大切に・・・大切に・・・
愛雅と過ごしたい。
そして、しばらくして公園へ着いた。
この公園には実は、色んな事があったの・・・・。
あの、約束意外にも・・・愛雅との幼い思い出が・・・
『麻帆ちゃん、これ、あげる』
愛雅の手に持っていたシロツメクサの指輪をあたしにくれた。
『可愛いね?』
実は、あたしのお母さん、病気だった。
あたしが幼稚園に通っていた頃に倒れて・・・
それでも、お母さんは自分のことより他人のこと。
自分よりも、他人のことをずっとずっと大事に思っていた、そんなお母さんを見て、あたしも " お母さんみたいな他人思いの人になりたい " と思った。
今は慣れているかはわからないけど・・・自分よりも他人のことを優しく大事にしてあげたい。
『麻帆ちゃん、大丈夫?』
優しく、でも心配そうな目であたしに尋ねた。
『うん、大丈夫だよ!全然平気!あたし、強い子になるって決めたから!』
お母さんが病気で倒れて、泣きじゃくるあたしのそばで必死に笑顔にさせようと思ってくれた人がいた。
やっぱ、どんな時でもあたしの隣にいる人は・・・・1人しかいないね?
「愛雅」
公園に来た時に座るベンチに愛雅は腰を下ろして座った。
「ん?」
優しい声で返事をした。
「めんどくさくないの?あたしがこんな体で・・・いつもそばにいるけど・・・」
この前もそう思った。
「車椅子に乗ったあたしが彼女だ、なんて恥ずかしくない?」
「・・・・・」
愛雅はただ俯いたまま顔を上げずに黙り込むままだった。
「ねぇ・・・・なんで答えないの?あたしのせいで・・・・あたしのせいで、愛雅や心愛ちゃんたちを傷つけちゃうんだよ・・・」
あたしばかりを大切に思ってくれているのは嬉しい。
でも、たまに、苦しいしそれがたまらなく寂しいと思う時がある。
時々ね?寂しくて俯いてへこんんでいるような顔をしている時があった。