幼なじみ。
タイムリミット
「・・・・・ほ・・・ま・・・・麻帆」
あたしの隣からお母さんの声が聞こえてきて、目がパチっと開いた。
「お・・・おか、さん?ここ・・・・どこ?」
どこか懐かしい匂いがするけど・・・・
「病院よ・・・・陸上のトラックのところで倒れたんだって・・・・」
お母さんの顔を見ると心配そうに悲しそうにあたしの顔を見ていた。
「お母さん・・・・・ごめんなさい・・・」
「なんで、麻帆が謝るの?謝らなくてもいい。麻帆は悪くないから・・・」
赤く腫れ上がっていた目で優しく微笑む笑顔の奥にはきっと悲しみや不安があるとわかっていた。
無理してでもあたしに笑顔を向けていることくらい・・・わかるよ?
お母さん・・・・
なんで、あたしを責めないの?
あたしがずっと日陰でおとなしくしていれば病院に搬送されることなんてなかったのに・・・・
あたしのせいなんだよ?
なのに・・・・なんで責めないの?
あたしのせいでこんなに傷つけて泣かしてしまうなんてね・・・・
バカだよね・・・・あたし。
あの時、自分のことだけ考えて行動して・・・・人のことなんて何一つ考えていなかった。
自分勝手な人でごめん。
「よかった・・・」
あたしを強く強く抱きしめてくれた。
お母さんとお父さんに抱きしめられたのは何年ぶりだろうか。
すっごく温かかった。