幼なじみ。
「あ、愛雅・・・」
しばらくして愛雅が戻ってきた。
心愛ちゃんが口パクで『愛雅には言った?』と確かにそう口は動いていたから、あたしは軽く縦に首を振った。
「もう夜だねー?あっという間に過ぎるね?時間って・・・今のまま止まってほしいなー・・・」
「そうだね・・・」
このままずっと時計の針が止まってくれたら、一緒にいることができるのかな?
大切な人のそばにいることが・・・
あたしの手でそれができたらいいけど・・・何を言ったって、時間は止まってくれないんだよね・・・
「夜って・・・辛いね?いつ死んじゃうのかわからないから・・・」
窓の外を見ると、夜空にキラキラと光る満天の星が見えた。
それぞれの建物に電気が灯されてちょうどいい明るさだった。
この景色を見れるのもあと何回なのだろう・・・
そう思えば思うほど胸がきゅーっと締め付けられる。
苦しいよ・・・・
大切な人との約束を果たしたい。
でも・・・限界なのかな?
あたしが生きるってことが・・・・
「麻帆、大丈夫よ!さっき麻帆言ったじゃん!あたしの心の中には麻帆がいるって!」
「・・・・」
「それはあたしだけじゃなくて、麻帆も同じなんじゃない?麻帆の心の中にあたしがいるよ!次いでに岡本もね?」
自分の胸を叩いた。
あそこの中にあたしは行き続けてるんだよね?
「ありがとう」
時計を見ると、もう8時が過ぎていた。
愛雅と心愛ちゃんが急いで病室から出て行った。
もちろん、『バイバイ!またね?』と、手を振ってから・・・・