幼なじみ。





「コーチ。これからもあたしたちの後輩の指導お願いします!」





コーチは教え方がすごく上手いしわかりやすいから、ちょっとアドバイスするだけで速く走れるようになる。





そんなコーチだった。





「はい・・・でも、人のことより自分のことを優先にね?今は体の方が大事だから」





あ・・・




昨日愛雅と同じことを言った。





やっぱりみんな思ってるのかな?




『自分よりも他人』って・・・・人のことを思い続ける人だと・・・




「はい!ありがとうございます!」





あたしの背中を優しくさすってくれた。





その手はすごく温かくて大きなものだった。





「あの・・・これ、先生とコーチへの手紙と、これ、後輩宛の手紙です。渡しておいてもらえますか?」




「あぁ・・・ありがとな?大変だっただろ?でも、あまり無理はするなよ?」






柔らかな優しい笑顔であたしに言ってくれた。





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