幼なじみ。
校舎を出ると、毎年やっている写真撮影がそれぞれで行われていた。
卒業するのが悲しいのか泣いている人もいれば、なぜか、ワイワイ騒いでいる人もいた。
あたしは綺麗な快晴な空を見ていた。
麻帆。
あたしのこと見てくれてる?
空を見て、いつもそう思う。
「心愛ちゃん」
あたしの名前を麻帆とちょっと似た声の人が声をかけられた。
振り向くと、柔らかく細い目で微笑む麻帆のお母さんがいた。
「あ、麻帆のお母さん・・・」
麻帆のお母さんの顔を見て、はっ!としてかばんの中をあさった。
「ごめんなさい・・・・遅くなってしまって・・・・これ、麻帆の卒業証書です・・・」
「ありがとう。心愛ちゃん」
優しい笑顔であたしの頭を撫でてくれた。
麻帆と少し似ているせいかあたしの頭を撫でてくれている手が心地いくらい温かかった。
「あの・・・・心愛ちゃん麻帆の病室から手紙が出てきたの・・・・だから、読んであげて?」
「はい!ありがとうございます!」
お礼を言い、昇降口近くの階段に座った。