幼なじみ。
小さい頃からずっと一緒にいて、俺は幸せに浸っていた。
高2の2学期の文化祭やいろんな行事を終えた3ヶ月後に麻帆から聞きたくもなかった言葉が出てきた。
一緒に下校して、小さい頃良く行っていた公園へ寄り道することにし、ベンチに座った。
『愛雅』
急に俺の名前を言った麻帆に返事をする。
『ん?』
『めんどくさくないの?あたしがこんな体で・・・いつもそばにいるけど・・・』
めんどくさい?
俺は一度もそんなことを思ったことはなかった。
めんどくさかったら、俺の性格からして受け入れることはできないと思うから。
『車椅子に乗ったあたしが彼女だ、なんて恥ずかしくない?』
麻帆にかけてあげる言葉を何度探しても見つからず俯いて黙り込んだ。
『ねぇ・・・・なんで答えないの?あたしのせいで・・・・あたしのせいで、愛雅や心愛ちゃんたちうぃ傷つけちゃうんだよ・・・』
なぜか、俺の口は動いてくれなかった。
麻帆、時にはこうやって思っていること思い切り言ってほしい。
それに応えられるようにするから。
そう言いたかった。
麻帆は何でも1人で抱え込みすぎている。
麻帆は自分の気持ちよりも他人の気持ちを優先にしている。
そんな優しさが俺は誰よりも大好きだった。