幼なじみ。






それから、麻帆が亡くなって、2ヶ月が経ち、卒業式を迎えた。





麻帆と一緒に卒業できて嬉しかった。





最後のHRが終わって、グラウンドで各自記念撮影が行われていた時、後ろから優しく肩を叩かれた。




後ろを振り抜くと、麻帆のお母さんがいた。





軽く頭を下げた。






『愛雅くん。今までありがとう。麻帆のそばにいてくれて・・』






麻帆に似た優しい笑顔で語りかけてきた。





『愛雅くん・・・これ・・・麻帆の病室に置いていた棚に入っていたものなの。読んであげて?』





『・・・・はい・・・・』





麻帆のお母さんから手渡されたものは可愛い手紙だった。




綺麗な字で『愛雅へ』と書いてくれていた。







『あ、それと、これ・・・』






少し小さめのアルバムファイル。





そのページをその場でめくると、俺と麻帆が過ごしてきた季節たちが刻まれていて、涙が溢れそうになるのを必死に堪えた。





麻帆と過ごしてきた日々はほんとに幸せだった。





麻帆といる時の俺は輝いて見える。






幼い頃から高校までの思い出。





その全部が綴られていた。





" 愛雅と過ごせた時間はあたしの宝物!愛雅、大好き "




可愛い付箋に書かれていた文字。





麻帆の想いが伝わってきた。





麻帆・・・・





ごめん。許して?今、泣くの、許して?俺・・・・我慢できなくなったから・・・・・





堪えていた涙を一気に流した。






" 愛雅と付き合って初めて過ごすクリスマス 。楽しく過ごせたー! "







思い出が俺の頭の中でぐるぐると巡り巡っている。




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