幼なじみ。
授業が終わり、子供たちがワイワイする中、一本の電話がかかってきた。
ディスプレイを見ると・・・・
【立花 心愛】っと書いてあった。
電話に出た。
「もしもし?立花か?」
『うん』
いつもより、テンションが高い様子が声を聞いて分かる。
麻帆が入院して、お見舞いに行く時も帰る時も一緒だったから、喋ったことがないことはなかった。
まぁ・・・普通の友達みたいなもしものだった。
「なんか用?こんな時間にかけて来るなんて珍しいじゃん!」
『あのね・・・?あたし、結婚することになったの』
「えっ!まじで!?」
『まじだよ!高校の時から付き合ってた、與田 直哉っていう人。その人と結婚することにしたの!』
「よったな?おめでとう!」
『麻帆も喜んでくれているかな?』
その言葉を聞いた時、俺は空をぼーっと見上げていた。
「麻帆は他人思いだから・・・絶対喜んでくれてるよ!」
『だよね?』
『岡本!招待状渡すから来てよね?』
あぁ。
直哉さんと会うのは久々になる。
祭りに行った日に少し喋ったっていうくらいだし、だいぶと前の話だから・・・
顔ははっきりとまで覚えていない。
でも、自分のことのように喜んだ。
麻帆と同じように・・・
「あぁ・・・じゃーな?」
『うん。またね?』
ーーブチッ プー プー
そこで立花との電話のやり取りが終わった。
それと同時に生徒が俺に近づいてきた。
「先生ー!今のって彼女ですか?」
「は?」
ったく・・・・
出まかせ言いやがって・・・・
「先生、ずっと独身なの?寂しくないの?」
寂しくないって言ったら嘘になる。
でも、俺の心の中に大好きな人がいるから。
「寂しいよ?」
「じゃ、なんで結婚しないの?」
最近の子供は質問し過ぎなんじゃね?
「はい、この話はおわりー!次の授業始まるから、準備しに行け!」
「はぁーーーーい・・・・」
俺に近づいてきた生徒が教室に入って次の授業の準備をしていた。