幼なじみ。
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目を覚ますと、見知らぬ天井が目に映った。
あたしの口には酸素マスクが付いていた。
布団から出ていた手を目で辿って行くと、愛雅が握っていた。
「愛、雅?・・・・」
「麻帆、起きた?覚えてる?坂を登ってたら急に息切れして呼吸困難になったんだって。もー、あの時はどうなるかと思って、すげぇ焦ったよ・・・」
「ごめん・・・迷惑ばっかかけて・・・」
「だから迷惑じゃねーって!」
泣きそうなあたしの頭を優しくくしゃっと撫でてくれた。
「愛雅・・・・そばにいてくれてありがとう」
目から涙が出てきた・・・
大粒の涙が頬に伝う。
愛雅はすこし涙目になりながらも笑顔を見せてくれた。
そんな時だった。
ー コンコン。
ノックする音が聞こえてきた。
「失礼しまーす・・・・」
聞き慣れた声が聞こえた気が・・・
「心愛ちゃんー!」
マフラーをつけた心愛ちゃんだった。
冬になって、もうそろそろ進路について考えないといけない時期になっていた。