幼なじみ。
「もー・・・麻帆心配したんだからね?」
心配そうな顔をしながら話した後に大きな声で「あ!」と何かを思い出したようで付け加えてまた話し始めた。
「そういえば、顧問の先生が『安西、最近部活来てないんだが・・・知らねーか?』ってあたしに聞いてきたんだけど・・・まだ話してなかったの?」
「うん・・・・先生に言ったら辞めさせられそうだから・・・」
「そっか・・・でも、念のため顧問にだけは言っておいた方が・・・」
「大丈夫・・・」
そういえば、顧問やコーチには何も言っていなかった。
後輩たちにもだった。
「心不全」と診断されてから、まだ一度も部活に顔を出していなかった。
まだ、続けることができる可能性はある。
僅かな可能性でも信じていたい。
そうしたら、あたしの夢、叶うかもしれないから・・・
応援してくれている愛雅や心愛ちゃんの気持ちに応えたい。
そのためにあたしは努力する。