幼なじみ。
高校3年生

検査







ー コンコン。




ノックの音が聞こえて扉の方を見ると、お母さんが入ってきた。






「麻帆、どう?具合は」





「だいぶ良くなったよ!」





「そう」




あたしの頭を優しく撫でてくれた。




お母さんがここに来るのは珍しいことだった。





今日は検査の日だから忙しい合間をぬって来てくれたんだと思う。





今から受ける検査は今日だけでは終わらない。何日もかけて色んな検査を受ける。




心臓の大きさや形をチェックする。心臓が大きくなった様子や、肺に水がたまって、写真上に白く映し出す状態が見つかったりする胸部レントゲン。




他には心電図検査、心臓超音波検査(心エコー)、心臓カテーテル検査、血液検査が主に行われる。





「おはようございます、安西さん!気分はどうですか?」





「前よりはだいぶとましになりました」





「そうですかー、それはよかったですね?」





看護師さんが入って、検査に行く準備をする。



今日が検査最終日だった。




「最後だから頑張ろうね?」




そうあたしに声を掛けたあと、お母さんにあいさつをして色々と喋っている間にあたしは準備をし始める。




「じゃ、先に熱はかりましょうか?」




看護師さんから渡された体温計を受け取り、脇に挟んでぎゅっとしめる。
そして、窓の外を眺めながらぼーっといていた。




「じゃ・・・私はこれで・・・あとはよろしくお願いします」




そう言って、お母さんが病室から去って行った。



やっぱ、お母さん忙しかったんだね?




「あの・・・・いつになったら学校戻れますか?陸上もやりたいんですけど、いつできますか?」





「もう少し良くならないと学校へは戻れないかな?それと、たとえ学校戻ったとしても、走っちゃダメだよ?また呼吸困難になっちゃうからね?」




「そっかー・・・」




少し沈んだ気持ちのまま、また窓の外の景色をぼーっと見た。



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