幼なじみ。
顔を上げた時、目が赤いのに気がつき、泣いているのだとわかった。
「さっきの会話聞いちゃってさ・・・大丈夫だよ、麻帆なら絶対陸上続けられる、夢が叶うって信じてるからね?頑張って!」
あたしの両手を力強く思いを込めて精一杯握ってくれたそに手にはすごく温かい気持ちがこもっていた。
「あ、そーだ!花ここに置いておくね?これはガーベラっていう花で花言葉は希望と神秘なんだって」
涙を拭いながらベットの横にある棚の上に花びんを置いた。
今回はガーベラだけじゃなくて、他の花も飾って簡単なフラワーアレンジをしていた。
「麻帆、俺、麻帆のために何もしてやれなくてごめんな?出来る限り麻帆のそばにいることしかできないけど・・・遠慮しないで出来ることあったら言って?」
「ううん、毎日愛雅と心愛ちゃんが来てくれるだけで十分力になってるよ?ありがとう!」
入院している間、あたしは何回感謝の気持ちを伝えたのだろう。
みんなには迷惑かけっぱなしだね?
「あ、そーだ!喉渇いたから自動販売機行きたい!」
「了解!」
愛雅があたしの体を支えながら車椅子に乗せてくれた。
車椅子のハンドルを握って押して心愛ちゃんに「ちょっと行ってくる」と言って病室を出た。