白銀のトライアングル
電話を切ったあと、友紀奈は沈んだ。

本当は嘉雄との電話にワクワクしていたのだが、明日の件で一気に気分が沈んだのだった。

なぜならば、ココへくる3日前に雅史から電話があった。

その電話の用件は、

「とにかく会って話しがしたい」

と雅史が言って来たのだった。

友紀奈は会うつもりがなかったから、返事を濁した。

だが、今回は雅史の言葉も強い口調だった為に、これ以上 断れなかった。

そして、約束は嘉雄達と会って帰って来てからにしたのだった。

友紀奈自身も、嘉雄に会って気持ちがはっきりするかも知れないと思ったからだった。

しかし、嘉雄の口からは、‘付き合おう’とか‘好きだ’という言葉は出てこなかった。

だから、友紀奈の気持ちは、まだ空中分散してるような感じだった。

そして、この電話を切ったことによって友紀奈は雅史と会う決心をしたのだった。
< 184 / 221 >

この作品をシェア

pagetop