白銀のトライアングル
一樹が言った。

「そうだったんだ。だから、嘉雄のことをあんなに真剣に考えてくれていたんだ!」

「ええ。」

友紀奈は、今までのピーンと張ったような緊張感がすっかり切れてしまったようだった。

「友紀奈ちゃん・・・」

と、麻紀が言ったと思ったら、友紀奈は麻紀に泣きついた。

「いいのよ!友紀奈ちゃん、しっかり泣いて泣いて全部ながしちゃいなさい!」

やはり、麻紀は年上だけあった。

友紀奈は、麻紀にすっかり心を許していた。

一樹と嘉雄は、その場にいたのだが まったく用なし状態だった。

二人は、じっと友紀奈と麻紀を見守るしかなかった。

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