白銀のトライアングル
「友紀奈ちゃん!どうしたの?」

麻紀が、周りの事も気にせずに大きな声を出したので、

一樹もただごとではないことを察した。

そう、日頃の麻紀の仕事上で決してしない行為だからだ。

特に、ココの式場でこんな大きな声を出すことはなかったし、

麻紀はすぐに場所を変えるはずだった。

「とにかく、救急車は?警察は?」

麻紀の言葉から、一樹も嘉雄も動揺した。

こんなときに、救急車?警察?

これは・・・

想像とおりだった。

友紀奈は事故っていた。

でも、電話できるくらいだから本人は大丈夫なのだろう・・・

麻紀が言った。

「とにかく、嘉雄君が行って!」

そうだった。今日は一樹が抜ける訳にいかなかった。

「わかった。場所は?」

そう、嘉雄が麻紀から場所を確認して現場へ向かった。

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