~こどもの恋愛?!~


「はい…。」

「あのっ、神谷センセっ?あたし、二年の鈴木美砂ですけどっ。」

「鈴木?何の用事?」

「ちょっと、お話したくて…。降りてきてもらえませんか?」


マンションはエントラスより先には、住人が許可しないと入れないことになってるんだ。

あたしは、息を潜めて会話を後ろで聞いていた。

それにしても積極的だな…美砂って…。

「わるいけど、今忙しいし…。」

「そんなっ、神谷センセっ。あたし先生がスキなんです。……さっきの女性は彼女さんですか?彼女いても、あたしっ、好きなんです。会って気持ちだけでも聞いてませんか?」
涙声の美砂…。
あたしは、ただ声を出さないようにしていた。

神谷さんっ、どうするの?


「…悪いけど、そういう話なら、なおさら聞くことは出来ない…。迷惑なんだ…。帰りなさい。」

神谷さんが発した氷のような言葉……。

「神谷センセっ………
神谷さんはスイッチを切った…。
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