光ちゃん
忘れられない過去
それは私が12才のときだった。
この湖の岸には大きな木があり、光ちゃんはよくその木に登って遊んでいた。
「佐希ちゃん、俺、やっと天辺まで行けるようになったぜ!」
私は光ちゃんに誘われて木登りを見に行った。
「光ちゃん、危ないよぉ!」
「平気だって!」
その時だった。上ばかりを見ていた私は、誤って足を滑らせ湖に落ちてしまったのだ。
「佐希ちゃん!」
光ちゃんは慌てて木から湖に飛込んだ。
何とか二人とも助かったものの、私はしばらく意識が戻らなかった。
「ごめんな…佐希ちゃん…」
私の意識が戻ったのは3日後だった。
「佐希子!」
「佐希ちゃん!」
目を開けると、両親と光ちゃんがいた。
「よかった…」
退院して家に帰ると、いつも履いていたお気に入りの靴なかった。
「お母さん、あの靴は?」
「…湖でなくなっちゃったみたい。新しいの買ってあげるからね」
子供だった私は納得がいかず、泣きながら光ちゃんを責めた。
「光ちゃんのせいだから!」
「ごめん…佐希ちゃん…」
次の日だった。湖に浮いている光ちゃんが見つかった。私の靴を握り締めながら…。
この湖の岸には大きな木があり、光ちゃんはよくその木に登って遊んでいた。
「佐希ちゃん、俺、やっと天辺まで行けるようになったぜ!」
私は光ちゃんに誘われて木登りを見に行った。
「光ちゃん、危ないよぉ!」
「平気だって!」
その時だった。上ばかりを見ていた私は、誤って足を滑らせ湖に落ちてしまったのだ。
「佐希ちゃん!」
光ちゃんは慌てて木から湖に飛込んだ。
何とか二人とも助かったものの、私はしばらく意識が戻らなかった。
「ごめんな…佐希ちゃん…」
私の意識が戻ったのは3日後だった。
「佐希子!」
「佐希ちゃん!」
目を開けると、両親と光ちゃんがいた。
「よかった…」
退院して家に帰ると、いつも履いていたお気に入りの靴なかった。
「お母さん、あの靴は?」
「…湖でなくなっちゃったみたい。新しいの買ってあげるからね」
子供だった私は納得がいかず、泣きながら光ちゃんを責めた。
「光ちゃんのせいだから!」
「ごめん…佐希ちゃん…」
次の日だった。湖に浮いている光ちゃんが見つかった。私の靴を握り締めながら…。