光ちゃん
白い部屋
ふと目を開けると最初に飛び込んできたのは母の泣き顔だった。
「…佐希子!あんた何してるのよ…」
隣には父の姿もある。
「どうしたの…?」
「どうしたのって…覚えてないの?病院から電話があったのよ…」
「え…?」
「湖で溺れたって…なんでまた湖なんかに行くのよ…」
「湖で溺れた…?」
私は自分の耳を疑った。
「でもよかったわ…」
昨夜の出来事は夢だったのだろうか…?。
「また光一くんが助けてくれたかも知れないわね…」
母の言葉に私は頷いた。光ちゃんの13回忌…。
私の手にはあの時手渡された靴が握られていた。
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