悪魔な秘密の巫女男子

はぁ。と
息を整えてからペンダントを離すと
水しぶきが収まる。

すごい威力だったようで廊下の壁まで傷がついている。

よ、よかった。
こっちがびっくりだよ。


僕は、宰相の顔をじっと睨みつける。



てめぇぇぇっ。



ふぁ、ファーストキスだったのに。





僕に、睨まれておろおろしている 宰相。


う・・・。


ちょっと、泣きそう。
いくらイケメンだからって・・・


「・・・水の、巫女。」

宰相が手を伸ばして僕のほほを 撫でようとする瞬間。

ぱしっ と左手でその手を払う。

「やめろ。」

もーマジで、勘弁。
っていうか、水の威力すげぇな。

動揺して、涙目になっていた僕は、
ぽろりと ためてた涙が一つ落ちる。
宰相は もう一度、手を伸ばして その涙を拭こうとする。

やめろって。
無言で手を払いのける。

やば。
はずかしい。

泣くなんて。

見るんじゃない。


思わず、左手で顔を隠した。


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