悪魔な秘密の巫女男子
王宮の中が騒がしい。
パタパタと 何人かの人が走る。
「火の守護師様!!」
「お待ちしてました!」
「王は、『謁見の間』です」
すっと、手を挙げて火の守護師が
返事をする。
ってか、
この変わりよう・・・
すっげー仕事できる人みたいになってる。
あんな、
ぎゃいぎゃい 騒いで お茶してたのがウソのようだ。
「まー、あれでも
あいつは『火の民』を収める火の守護師 だからな。」
ライガが、にやりとした。
こちらです。と、兵士に案内されたところは、
上からいくつもの布のひもが垂れ下がって
なんだか、不思議な雰囲気。
あの時、『巫女』が入らなかった謁見の間ってこんな感じだったのか。
真ん中に、シンプルな椅子。
椅子だけあるっていうのが、また、異様な雰囲気を醸し出してる。
火の守護師が 緊張の表情で
杖を斜めにかざして
その、シンプルな椅子に向かって膝をつき頭を下げた。
「我が 王。」
静かに、火の守護師の声だけが響く。