悪魔な秘密の巫女男子
火の守護師の後ろに立っていたライガと僕。
ライガが、ぽんと背中を押して「おい。膝をつけ。」と、小さな声で言った。
そうか、
そうだよな。
僕、今 ふつーに男だし。
『巫女』じゃないから。
あわてて、火の守護師のすぐ後ろで同じように膝をつき
頭を下げた。
じゅわぁぁあ
空間がねじ曲がるような感覚。
黒と紫の煙が
椅子の上から出てきて、
形を成す。
いつのまにかーーー
「早かったな。火の守護師よ。」
王が---出現した。
「恐れ入ります。
ーーー宰相が倒れた聞きましたが・・・」
ちらりと、火の守護師の後ろから、王を盗み見る。
おぉ。やっぱり きれいな顔立ちだな。
光の加減で シンプルな 黒い服の光沢が
より一層、王の威厳と美しさを際立たせる。