悪魔な秘密の巫女男子

水の守護師は
くるっと大きく杖を動かして、大きなシャボン玉のような物を作り出す。

ぽよん。

その中に宰相が丸くなるように入った。

長い銀髪とふさふさのしっぽが なかで揺らめく。



「あぁ、これでしばらく持つかなぁ。
 はーー、しーちゃん。水を取ってくれる?」

「はいはーい。風ちゃん。おつかれさまー。」


風の使徒のしーちゃんこと、ルラは急いで守護師に水を運ぶ。

どうやら、ひと段落らしい。


水の守護師は
ぶつぶつ言いながら 杖をかかげている。



「ねぇ、アサヒ。
 なにしたの?宰相に。」

「はい?何もしてないし・・・
 あの、風のブレスレットが光って 飛ばされただけだよ?」

本当に、毒とかそんなん やってないし。
って、そもそも 毒とか持ってないし。

呪いとかできないしな。

そうかーと言いながら、風の守護師は小っちゃい体をうぅーんと伸ばした。

「なぁ。こいつって・・・」

ライガが、水の中で ぷかりと 浮いている宰相を見つめて、
ぼそりとつぶやく。

「単なる、極端な衰弱。じゃないか?」


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