悪魔な秘密の巫女男子

風の守護師はごくごくっと 水を飲み干して、
汗をぬぐった。

「ははは。そうなんだよねぇ。
 体力的消耗、じゃなくて 力の消耗。
 だから、回復には相当時間がかかるんだ。
 
 僕の治癒魔法でも、一か月だなぁ。」

「うーーん。わしの増力魔法をかけても・・・せいぜい三週間かな。」

ライガは、ちょっと険しい顔をして、
指先に、赤い光をともす。

赤い光は、ふよふよと 水の中にいる宰相に吸い込まれた。


「--アサヒ様。
 なにか、水と、風との術のバランスなどで
 宰相様は倒れたかもしれません。
 
 何があったか 詳しく話してくださいませんか?」

水の守護師が、
じっと、こちらを見た。

「え?」

く 詳しく??


えーーー。

思いっきり顔を しかめた。


ライガは、くくくって笑いをこらえている。


「詳しく・・・?どうしても?」

「アサヒさん?なにか、かくしてるの?」

風の守護師が、不思議そうに僕とライガを交互に見つめた。


 
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