悪魔な秘密の巫女男子
 
少し考えるようにしていた風の守護師は、
うーんと言って
杖を握りなおした。

「じゃぁ、宰相さんに布越しキスって事なんだよね・・・

 ねぇ、アサヒさん。
 水の巫女の衣装は持ってる?
 火の館に置いてきた?」

「あ、ライガが持ってきてる。
 重かったから、置いて行こうかと思ったんだけどさー」

さすがに、巫女の衣装があると、
まずいかなーと思って持ってきたんだった。


ただでさえジャラジャラ装飾のついた服が
なんだか水をふくんで ずっしりと重くなってるから
持ってもらってた。


ほれ、とライガが布で包まれたそれをぽんと渡す。
ずさっと重そうな音がして
僕の前に落ちた。


「え?重い?」

顔をしかめたのは水の守護師だ。


「え?重いよ。
 たぶん、水の守護のとき、水しぶき出たから濡れたんじゃないかなー。
 ライガにキャッチしてもらった後、
 重くてふらついたし。」

空中を猛スピードで飛んだから、
足がこわばってふらついたっていうのもあるんだけどさ。


「アサヒ様。防御魔法ででる『水』は
 発動者を濡らすことはございませんよ??」

「へ??」

でも、結構重かったよ?

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