悪魔な秘密の巫女男子
「だーかーらー、
そんな、『修行』みたいなことやったって
僕には、『魔力』みたいなのはないんだって!」
「いやいや、アサヒさん。
やったことないだけで、きっとあるよ!」
はーぁ。
水の魔法の基礎中の基礎。
コップの水を増やす。
ってことを 先ほどから三時間やってるが、
増える見込みもない。
水の守護師の彼女も、真剣にアドバイスをくれる。
「あの、アサヒ様。
水の分子を大きくする。みたいなイメージで魔力を込めるんです。」
「だーかーらー、」
一応、最初の何分かは、言われたとおり真剣にやってみたよ。
だって、魔法とか使えたらかっこいいじゃん。
もしかしたら、
世界が変わってるから、使えるんじゃ?
なんて思ったりしたしさ。
でも、
まったく、そんな気はしない。
「うーん。風の魔力なのかなぁ。火かなぁ?
でも、召喚は水の術で召喚されてるから、
相性的には、水で間違いないと思うんだ。
アサヒさん。
ちょっと 力吸い取っても?」
「・・・えー?」
これも、何度目だろう。
しぶしぶ、手を出す。