悪魔な秘密の巫女男子

ずんずんと、
火の兵士たちの間を通り抜けて、
森の奥へと進む。

「なぁ、あれでよかったのか?」
「えぇ、アサヒ様。
 上出来です。
 すっかり『巫女』らしくなりましたね。」

「・・・全然、うれしくない。」









ぶわぁぁあっ!!


急に、
風が吹いて、その風が上空へと集まるように、まとまる。


「うわっ」

「アサ・・・じゃない。
 水の巫女ぉ。こっちだよ。」

少し離れた先でルラがおいでおいでをする。


何人かの火の兵士が
この風を取り囲むように
何やら呪文を唱えながら
手を前に突き出している。


その中央の大地には
ぱっくりと 避けるような切れ目。

そこから
もやもや~と 赤黒い靄が立ち上る。

その靄はすべて風がまとわりついて、上空で集まっているようだった。


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