悪魔な秘密の巫女男子
彼女は、そのおにぎりをそっと手に取ると、
まだ水につかったままの僕に、そっと手渡す。
「っと、君もぬれちゃうよ?」
「大丈夫です。
えぇと、これを召し上がってください。
ただし、一口だけ。」
「え?」
食べるのこれ?
ちょっと怖い。
見た目は、普通のおにぎりだよ。塩おにぎりって感じ。
そりゃ、おいしそうなんだけど、
得体のしれない光の中から出てきた
おにぎりを 食べろって?
結構、勇気がないと無理かも。
躊躇したのが読み取れたのか、
彼女は、片膝をついて両手を地につけた。
「お願いします。アサヒ様!
もう、私にはあなたしか頼れないのです!」
「・・・はぁ。じゃぁ、食べるよ。」
一口、ぱくん と口に含んで もぐもぐと食べる。
普通においしい。
それを見届けた彼女は、頭に巻いていた布をしゅるっととって
また何やらつぶやく、
「それをこちらに、アサヒ様。」
「はい。どうぞ。」
おにぎりをその布に乗せる。
彼女はくるっと包む。
衛生面とか、大丈夫かな・・・
なんて、ちょっとびっくりする。