悪魔な秘密の巫女男子
彼女は全く気にする様子もなく、
どうぞ。とそのおにぎりの入った布を僕に差し出した。
はぁ。といって受け取ると、
その手をギュッと握りしめられて
ちょっと、どきっとする。
「どうぞ。アサヒ様。」
ようやく、僕はこの水の中から出ることができた。
一歩踏み入れると、
地面からふわっと光が灯った。
「え?どうなってるの、これ。
足の裏も、じんわり、熱い気がする・・・」
「大丈夫でございます。アサヒ様。
これで、こちらの空間でも 動けるようになったということでございますから。」
彼女は、頭からかぶっていた布をばさりととって、
僕の頭からかぶせる。
そして、身にまとっていたマントのようなものを
ぐるぐると、顔と体を隠すように巻きつける。
「ちょ・・・なにする・・」
「いいですか!アサヒ様!
あなたは、精霊です!
えぇと、水をつかさどります!
今から、外に出ますが しゃべらず、ただ 手を上にあげてください。
いいですか?」
鬼気迫る 迫力。
「は・・はい。」
「よしっ。さぁ、行きましょう!」