悪魔な秘密の巫女男子

課長は何枚かある書類を
机の上に並べ始めた。
地図をさらに広げると、
課長の指にぽうっと黒い靄が集まって
地図上のいくつかの地点を
ぽんぽんと その黒い靄が点を落としていく。

思わず、
指先を凝視してしまった。


「ははは。口あいてるぞ。アサヒ」
「あ、すんません。」

不思議な現象に思わず 見入ってしまった。

「ほら、アサヒ、ここと、ここと
 な?そうだろう??」

イチノさんがにかっと笑うけど、
なにが、だろう?

「イチノさん。言葉が足りてませんよ。
 アサヒさん、今、課長がしるしをつけた
 所、よく見てください。」

「あ。」

気が付いた。
どうやら、僕の家の周辺や学校、バイト先、
そして、そこをつなげる道
路線・・・

「全部、僕の知っている 場所ですね。」

「おー、そうなんだよな。」
課長が、にやりと笑う。


「この問題の『気』がな、
 何かを探すように、求めるように 発生してるからな
 これらの地点に共通するモノや人物を調査してたんだ。
 まぁ、いくつか候補があった中で、一番は、これだな。」

ぽんと、地図を指差す。
あぁ、『病院』か。

「これらの場所と、さらに病院に行っていた
 というか、入院していたのは、
 君しかいないんよな。アサヒ。」
「そ、そうですか。」

そんなこと言われても、困るんだが。

「姫さんがいってただろ?
 アサヒの周りで この気が多いって。
 ここまで多いと、あまりにも『異常』だ。
 なんか、心当たりとかねぇか?」

「心当たりと言われましても。」

うーん?


 
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