悪魔な秘密の巫女男子
シンプルな扉の前で、
彼女はまた何やら つぶやいて
手に持った杖を 振りかざしながら扉をコンコンと叩く。
ぶわっと、
風がふいてその扉があく。
「うわぁ。なんだ?」
「さぁ、アサヒ様。
夜明けまで時間がありません。
説明しながら 最後の仕上げをいたします。」
部屋の中へと案内される。
中央にまあるい
ボールが浮いていて、周りを白い光のようなものが覆っている。
奥には、見たことのないような植物やら、
本や杖などが散乱していた。
「すいません。こちらは、私の『研究室』なんです。」
「え?君の部屋?」
「はい。」
そういいながら、
彼女は あわてて、本を片付けたり、散乱している布を一か所に集めたりしている。
かわいらしい。
あの、崖の上での威厳とは打って変わって
小動物のようにちょこちょこと動き回る。
僕は、気になっていることを聞いてみた。
「ねぇ、君って・・・何?偉い人?」
「はぁ。偉いって・・どういうことでしょうか?」