悪魔な秘密の巫女男子

短期バイトです


**


あの、黒い『気』ってやつ、
たまりすぎたら、
空気が濁りすぎて
犯罪や、よくないことがおきるんだって。


それを、未然に防ぐのが
この「課長」率いる「特別なチーム」らしい。


詳しい名称や名前は一切教えられていない。
だって
僕、バイトだし。


まぁ、知ってしまったら
きっと、大変なことになるんだろうなぁ。
なんて思うから知ろうとも思わないんだけど。

流されているなぁと思うけど
仕方ない。

バイト代が結構いいんだもの。


というわけで、

今日も 僕は
元気に目隠しをされて
例の事務所のような所に 拉致されています。






「おー、目隠しはずしていいぞ。」
手を引いてくれていたイチノさんが声をかける。

はーい。と 目隠しをはずす。

いつもの部屋の前。
ガチャリとあけると、「おはようございます。」

ニノさんがにこり とほほ笑む。

目の前の机には、僕のブレスレットが
ガラスケースに入っておかれていた。

あれから、
ブレスレットを預かりたいという申し出を受けて、
ここに、保管してもらっている。

ニノさんが言うには
どうやら、持ち主の認識の『術』なるものがかけられているらしい。
だから僕しか触れないらしい。

そんなことないと思うけどな。
だって、病院では家族からこのブレスレット受け取ったし。

ぼんやり そんなこと思ったけど

ニノさんはそういうのが専門らしく
キラッキラした目で「あずからせてください!!」とお願いされた。

というか・・・ニノさんがブレスレットに触れて
ひとしきり、胃の内容物をはいた そのあとで

そんな、いい笑顔で言われたら、

そりゃ、
僕、わかりました。っていうしかないよね?

< 251 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop