悪魔な秘密の巫女男子

あー、
あっついなー、
いい天気すぎるだろー

若干 木の陰になっているとはいえ、
真夏の公園は暑い。


じりじりと腕を
太陽が焼いてる。


っと、

あれ?

足元に なんか、いるーーーと思ったら


遅かった。

「うっ!」

声にならない悲鳴。

黒い、『気』が ぶわっと伸びて
僕の足に絡みつく。

「いっ!!」

いってぇ。

ってか、熱い?!


じゅわっと、ズボンが溶ける。


「げっ。」

あわてて振り払おうとするが、
ぎゅぅっと、逆に強く握られて、
引きずられそうになる。



「・・・っアサヒ君。屈んで!」

気が付かない間に、
ニノさんが近くに来ていて、
手に持っている
スマホを しゅっと振りかざす。

ばしっと 叩きつける音がして、
黒い 足に絡まっている 気が ほどける。

「おっ。よか、」
「よくないっ!早く、静かに 公園をでてください。」

静かに。
そうか、奥で遊んでいる子供や、
散歩している一般の人に気が付かれないように
ということだ。


後ずさりながら
静かに、
公園の入り口まで向かう。



「アサヒ、あそこの車で待ってて。」
「はい。イチノさん。」
入口にはイチノさんがいて
僕と入れ違いだ。


にこり とイチノさんは笑って
何でもないようにニノさんに近づいていく。

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