悪魔な秘密の巫女男子
そして、彼女は、
ナイフでざっくり
自分の腕にまっすぐな切れ目を入れる。
「おいっ。なにしてーー」
「アサヒ様。」
動くな。というように、首を横に静かにふる。
その様子が真剣だったから、僕は、びくっと動けずに
そこにたたずむ。
真っ裸で。
異様な状況で、もう恥ずかしいとか感じなくなってきた。
彼女の足元に落ちている髪の毛と、
彼女の手から滴る血が混ざりあって、
ほわんと 光を放つ。
瞬間。
その髪の毛がぶわっと持ち上がる。
彼女が手を前にふりかざし、
彼女の血が空を舞い、
その髪の毛が
背中と、腕と太ももに
模様を描きながら
僕にまとわりつく。
じゅぅぅっ。
一瞬 ちくりと刺されるような痛み。