悪魔な秘密の巫女男子

彼女がくるりと
杖をまわすと、
奥のほうから布がふわーっと浮かび上がる。


ってか、
ロングスカートに
ゆったりとしたローブみたいな。


あぁ、下着がないとすーすーして落ち着かないけど
この際文句は言えまい。


急いで布に身を包む。

彼女は薄いベールのようなものを僕の頭に乗せて、
くるくると巻きつける。

真珠のような髪飾りも巻きつけて、
どこから取り出したのか、
パタパタと、化粧を施す。

すうぅっと紅をさされる。


顔が近い!



「あと、先ほどの繋ぐ食べ物は?」

おにぎりのことか?

「さっき 制服を脱いだ時一緒に置いた。
 これ?」

「はい。アサヒ様。
 これは重要でございます。
 しっかりと、肌身離さずお持ちください。
 これは、こちらとあなたをつなぐもの。
 
 帰るときに また 必要になります。」

「え?帰れるの?」

「えぇ。いつでも。」

なんか、ふと 安心する。


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