悪魔な秘密の巫女男子

「うーん。
 でも、精霊もそれぞれよ?
 特別な力はあるけどね。」

「特別の力?ルラもあるの?」

首を傾けてちいさな ルラを覗き込むと
きゃっとルラは照れたように、「あるよー。ルラのは風ちゃんにあげるのー」
って言いながら くるり と宙返りをした。


「ははは。ルラは、あの風の守護師にぞっこんだからな。

 まぁ、俺のは 誰にもあげる気はない。
 炎だから間違えると、焼き尽くしてしまう。」

「ライガもあるんですか?」


まぁな。と優しそうに笑った。



「そもそもなぁ。
 今年の『祭典』の水の精霊は・・・

 水の守護師は、力が強すぎて、だれも、召喚に応じなかったんだよ。」

「へ?」

「あのねぇ、アサヒ。
 精霊界ってわりと、つながっているから
 今回、誰が 召喚されたとか、ちゃんとわかってるのよ。
 仲良しなんだからっ。」


「まぁ、ルラにかかったら、みんな仲良し。だろ?

 水の守護師のあの女はな、水の精霊と魔女のハーフなんだよ。
 半精霊は、まれにものすごい魔力を持つんだ。
 水の力が強すぎる。」


力が強い。

それは、分かる。
精霊の力で起こしたという キラキラとした光とかも
僕の後ろで 彼女が必死に 呪文を唱えていたから。

< 63 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop