四十九日間のキセキ
「嬉しいけどやっぱり駄目よ」

「どうして！」

その理由は悲しいものだった。

「あたしもう助からないもの」

紗弥加の思わぬ言葉にショックを受けてしまった隼人。

「どうしてそんなこと言うんだ」

「確信があるわけじゃないけど何となくそんな気がするの」

「分からないだろそんなこと。お前は絶対に治る、だから希望を持て」

「ありがとう。これからも治るように頑張ってみるね」

　ところが数日後、紗弥加は発熱が続くようになったため隼人たちが見舞いに訪れても面会がかなわなくなってしまった。

そんなある日面会時間が過ぎたため付き添いを終えた香織が帰ろうとナースセンターの前を通りかかると、看護師の佐々木に呼び止められた。

「奥村さん」

香織は何だろうと思いながらも振り向き尋ねる。

「何でしょう？」

「明日先生からお話があるそうなのでご主人と一緒に来てください」

「分かりました」

一言返事をすると、先生からの話とは何だろうと不安に思いながらも帰宅の途に就く香織。
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