四十九日間のキセキ
その後様々なスポットを巡り、デートの締めくくりにいつもの様に帰りに立ち寄った高台で夜景を望んでいるときにそれは決行された。

突然紗弥加の方を向いた拓海は真剣な表情を浮かべ語り掛ける。

「紗弥加、大事な話があるんだけど聞いてくれるか？」

「何突然あらたまって」

「俺たちこうやってやり直すことになって決心がついたんだ！」

この時の紗弥加は突然の拓海の行動に何事かと思ったものの、僅かながら予想がついていたのも事実であった。

「これで二度目になるけどもう一度言わせてくれ、俺と結婚してくれないか？」

拓海の口から予想した通りの言葉が放たれとてもうれしく思った紗弥加であったが、その反面なぜか戸惑ってしまったのも事実であった。

「ごめんなさい、あたしあなたとは結婚できないの。許して」

思ってもみなかったまさかの応えに今度は拓海が戸惑ってしまう。

「どうして、俺たち一度は婚約した仲じゃないか！　やっぱり俺じゃ不満という事か？」

その問いかけに慌てるように否定の言葉を口にする紗弥加。
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