四十九日間のキセキ
「違うの! そうじゃないのよ」

「だったらどうして俺とは結婚できないなんて言い出すんだ?」

声を荒らげる拓海に対し俯き小さな声で応える紗弥加。

「別に拓海とってわけじゃないの、とにかく結婚は出来ないのよ。ごめんなさい」

拓海はこの時の紗弥加の言葉に混乱してしまう。

「だからどういう事なんだ俺とってわけじゃないって、分かるように説明してくれ! 紗弥加は俺のこと好きだったんじゃないのか、だから俺とやり直したいと言ったんじゃないのか?」

激しい口調で問いかける拓海に対し、悲しみの表情で応える紗弥加。

「詳しい事は言えないけどどうしても無理なのよ、これ以上は聞かないで!」

「だったらどうしてやり直そうなんて言い出したんだ。分かるように説明してくれよ」

「やり直したいと思ったのは事実だし、あなたの事を愛しているのも事実よ。でも結婚となるとどうしても無理なのよ、お願い分かって」

その言葉により、拓海はそれ以上聞けなくなってしまった。
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